ゲームブック・リプレイ:ローンウルフシリーズ

トラン魔法使い教会の長老

【パラグラフ56→→→126:ロイ・キマール:(死亡・3)】
プレイの形式上、ゲーム内容のネタバレ満載です。あしからずご了承ください。



「おほおォォ」
俺の姿を見た老人は、驚愕と歓喜に喉をつまらせた。
「そのいでたち、そのただならぬ戦士の眼光……もしや、おぬしは本当にカイ戦士なのか」
「俺の名はローン・ウルフ。階級はガーディアン。最後のカイ戦士だ」
「知っておる。知っておるとも」
立ち上がった老人の服装は、盟友バネドンが纏っていたのと同じトラン魔法使い教会のものだった。
そして、聡明な老いた瞳からは善の力が溢れている。
「なんと……どれほどにここから出たかったことか。希望は捨てなかったが、おぬしのような助けが訪れるとは……」
「ところで爺ィ。あんた誰?」
「儂の名はロイ・キマール。この 水晶の星型ペンダント が証明になるじゃろう。トラン魔法使い教会の長老じゃ」
「大丈夫か爺ィ……じゃなかった、ロイ・キマール長老」
興奮して咳込んだロイ・キマールを落ち着かせ、俺は続きを促した。
「あんたのような人間がなぜトランから数千キロも離れたここに……しかも囚われの身になっているんだ」
「すべては、口にするのも汚らわしいあのボナターのせいなのじゃ……ペラペラペラペラペラペラペラ……」(ペラペララッシュ)
とかく老人の話は長くなりがちだ。
有り難く耳を傾けつつ要点だけまとめる。



ダークロードに加担したボナターは、俺の暗殺任務をしくじり、報復を恐れてイカヤまで逃亡した。
その際ダークロードから逃れる最後の手段として、テレポート能力のある魔法の杖 を盗んだのだ。
……ロイ・キマールの持ち物である杖を。



「しかし魔法の杖 の使い方を知るのは儂が秘密を授けたもののみ。ボナターは怒り、儂がイカヤに来なければ儂の血族を殺すと脅したのじゃ。それゆえ、儂はこうしてここに捕らわれ、秘密を引きだすため拷問されておったのだ」
「ならば魔法の杖 の秘密は、まだあんたが握っているのか」
「うむ。奴が秘密を握れば儂は消されるのを待つばかりじゃ。イアン・フレミング以来の王道じゃな」
にやりと笑う爺ィ。
この爺ィ、案外精神力もタフだ。
「しかしその様子ではおぬし、別の任務で来たのではないか? 聞いてもいいかの」
これまでの冒険を話す。
ロイ・キマールは喜び勇み、ボナターが居住するブルマルマーク王の大広間まで案内しようとを申しでた。
さらに、杖を取りもどした暁には船に間にあうようにテレポートしてくれるとも。
この瞬間、初めてこの任務の成功を確信する。



「有り難い。長老がきてくれるなら最強の援護になる」
「何、助けてくれたほんの礼代わりじゃ。ボナターにも一泡ふかせんと気が済まんしの」
再び出発の準備をととのえ、装備を点検する。
そのときだった。
不意に顔を青褪めさせたロイ・キマールが、俺の懐を指差した。
「なぜ、おぬしがドゥームストーン を持っておる!!早く捨てるのじゃ、その呪われた宝石を!!!」

(つづく)

Super Soviet Missle Mastar

http://www.supersoviet.com/


巡航ミサイルを操作し、新大陸まで空の旅を楽しむゲーム。
ただし使うのはカーソル↑↓のみ。
紙一重で迎撃ミサイルとかヘリその他を回避してください。
贔屓目に見てもお利口さんが作ったとは思えないタイトルですが、気にしない方向で。